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移住してきた人

よしもと たかひさ
吉本隆久さん

会社員
会社員・公務員地域活動
栃本ふるさとプロジェクト
  • 埼玉県川越市出身

栃本ふるさとプロジェクト 吉本隆久さん

埼玉県川越市の出身。限界集落といわれる奥秩父「栃本地区」に20代で移住された吉本さん。
大学卒業後は自然に近いところで働きたいという思いを持たれ、秩父市の地域おこし協力隊となりました。その後は栃本集落に定住し、秩父の豊富な森林資源を活かした地域活動や事業に携わってきました。同時に栃本ふるさとプロジェクトを立ち上げ「あなたのふるさとをつくる」をコンセプトに活動しています。2021年にはご結婚もされご夫婦で栃本に暮らしています。

①大学卒業後、秩父市地域おこし協力隊に入った動機

①大学卒業後、秩父市地域おこし協力隊に入った動機

大学在学の時は、どこかの企業に入って働くことになるのかなと思っていました。筑波大学4年生の時に東日本大震災がありました。内陸の筑波には津波の被害はありませんでしたが、停電と断水が長く続き、困ることがありました。その時、もし自ら火をおこして使うような生活だったら、公共のインフラにあまり頼らなくても生きていける暮らし方もあるのかなと思うようになりました。

また、大学1年生の時、山小屋で1か月間アルバイトをしたことがありました。そこに働きに来ている人の中に、冬はスキーのインストラクターをし、夏は山小屋で働いているといった方がおり、話を聞いているうちに、そういう生き方もあるんだと思うようになりました。

そういった経験から自然に近いところで働けたら、それが自分の理想にかなっているかなと思うようになりました。卒業後の仕事を探していたところ、秩父市の山奥での地域おこし協力隊活動の募集があり応募しました。

②協力隊での活動内容と、限界集落といわれる栃本に定住した理由

②協力隊での活動内容と、限界集落といわれる栃本に定住した理由

活動で一番メインに行っていたのは、この栃本集落で休耕地を耕し、そこで特産の紫芋というジャガイモを育てたり、もう摘まなくなったお茶畑を整備したりしました。ただそれらの仕事は1人ではできないので、外から参加者を募って、一緒に摘んだりといった活動を主にしていました。協力隊卒業後、栃本に住もうと決めたのは、何か一つは意地みたいなところがありました。協力隊として入ってきたからには、やっぱり移住が求められており、帰ってしまったら目的が達成できずに去ることになりますので、もし仕事がなくても何とかしてやろうという心持ちでいました。

③栃本移住での「住む家」「生計」について

③栃本移住での「住む家」「生計」について

仕事はすぐに見つかりました。秩父樹液生産協同組合です。メインとなる事業はカエデの樹液の採取とカエデの植林です。
家は協力隊の活動の主な拠点が栃本だったので、栃本で探しましたが、なかなか見つかりませんでした。
1ヶ所を空き家があるというので見に行った家は、雨漏りが酷く、窓ガラスが割れ、荒れていて住むには大変そうでした。そんな時、ある空き家の持ち主の方に地元の栃本のおばあちゃんたちが「もし空き家を使わないなら、吉本くんに貸してくれないかい」という話をしてくださいました。「全く知らない人には貸せないけれども、地元の方からの紹介なら喜んで貸しますよ」と持ち主の方が言ってくださって、今に行きつきました。
協力隊の3年間の活動で信頼が生まれていたことが嬉しかったです。

④限界集落 栃本での生活がやばかった!

④限界集落 栃本での生活がやばかった!

栃本生活の最初はやばかったですね。
まず生活を始める前の空き家の片付けが大変でした。13年間ほど空き家になっていたので、もう獣の棲家のような感じになっていまして、まずは獣の糞を片付けるところからのスタートでした。また畳が古くてブカブカになっていたので捨てちゃったんですけれども、捨てたら隙間風が床下から入るようになり、すごく寒くて…大変でした。
私の目標でもあった薪での生活を徹底しようと思い、煮炊きも薪ストーブで行い、暖を取るのも薪ストーブという生活を始めました。ですが、薪ストーブだけではすごく寒くて冬の一番寒い時期だと家の中が氷点下になってしまい、これでは生活できないなと思い、灯油ストーブを使うようになりました。
薪だけだと、調理と薪をくべるのも同時にやらなくちゃいけなくて、1人だと無理なんだなという思いに至り、カセットコンロを使うようになりました。自分に合った生活にだんだんブラッシュアップ(笑)していきました。


⑤栃本ふるさとプロジェクトの活動紹介

⑤栃本ふるさとプロジェクトの活動紹介

以前より、栃本には「民家の学校」という団体が年に一度、現地講座をするために来ていました。「民家の学校」は、古民家を大事にしようという方たちが生活体験・大工仕事・森林作業などの体験を通じて生身の民家を肌で感じる年8回の体感学校です。栃本ではその古民家に住んでる方から、話を聞くのが主目的でした。すでに日本には、栃本のような古民家に実際に住んでいる地域は少ないようで、住んでいる生き字引のような人たちに話を聞くというのも、重要なコンセプトのようでした。
そのとき私が協力隊だったので、栃本地域で行われる活動ということで、民家の学校の方からお声掛けいただいて私も参加するようになりました。

民家の学校では、毎年いろんな栃本活動をしているのですが、そういった活動の中で、私が協力隊を卒業する年に、民家の学校の講座リーダーをやられていた丹治さんという方が、栃本でぶどう植えようをという話をされました。その目的は、『民家の学校は年8回の講座をしたら、その年の受講生は卒業し、訪問した地域にまた足を運ぶ機会が少なくなってしまう。だけど、栃本はすごくいいところだから、講座が終わっても、受講生が頻繁に足を運べるようなきっかけ作りをしたい。民家の学校は卒業だけど、その後もぶどうを育て自分たちのワインを作ることを目標に活動していこう。』ということで5年ほど前に「栃本ふるさとプロジェクト」が立ち上がり、私も引き続き地域振興に協力したいと思いプロジェクトに参加しました。

栃本ふるさとプロジェクトと栃本の未来

栃本ふるさとプロジェクトと栃本の未来

現在も活動のベースにはぶどうの植樹やそれを育てることですが、実は今年初めてぶどう収穫を行い、始めてのワインが生まれそうです。
その他にも、山奥の栃本にたくさんの人が興味を持ち、遊びに来てもらえるように、環境を整えイベントを開催しています。栃本全体がエンターテイメントとなるよう、民宿を整備し、キッチンカーや、レストラン栃本テラスを開業しています。イベントも春にはお茶摘み、夏は沢登、秋はキノコ狩り、そういった季節に合わせた催しや、そば打ち、リトリートなどを行い、栃本集落全体がエンターテイメントとして、そしてここに来る人たちの故郷になって、将来は住んでもいいかなと思えるような、そんな雰囲気のある集落作りをしていきたいという夢を持っています。

Copyright© City of CHICHIBU All Rights Reserved. 掲載記事、写真の無断転載を禁止します。
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