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移住してきた人

やまもと
山本ご夫妻

古民家をDIYしているご夫婦
その他
  • 東京都出身

古民家を住みながらDIYされている 山本ご夫妻

サウナ小屋を自分で建てたいという思いから、実現できる環境を探し始め、2か月で15件以上の建物を内覧。理想の物件に出会い2022年の夏に都内から移住されました。築70年の古民家を、現在もDIYをしながら暮らしています。600坪以上ある広大な敷地で、畑を始めたり季節の果物を収穫したり、今までとは違う暮らしを始めたお二人に、空き家の探し方や古民家の暮らしについてお話を伺いました。

移住のきっかけ

移住のきっかけ

ーーー都内から、移住をしようと考えたきっかけを教えてください。
妻)私たちは2019年に結婚したのですが、コロナで挙式が2度も延びてしまいました。挙式の準備を2度行ったので、その間にこれからどんな暮らしがしたいのか、お互い何を大事に生きていきたいのかを話す時間がたくさんありました。例えば住まいに何千万円というお金を払ってローン何十年で都内のマンションを買うイメージは湧かないよね。とか、四季を感じられる環境がいいよね。とか、そういう話をしたのが移住をイメージするきっかけでした。
夫)高校生ぐらいのときに自分で家を作った人の本を読んだことがあって、なんとなく憧れがあったんです。さすがに家は作れないと思っていたのですが、サウナ小屋ぐらいなら土地を買ってセルフビルドできるかもと思って調べていたら、「夫婦で小屋を作って住んでます」っていうYouTubeをたまたま見つけて。それを見た瞬間雷に打たれて、彼女に「こういう事をしたいかも」と言ったら「いいんじゃない?」と、お互いの話が交わって、すぐに場所を探すことになりました。


ーーー候補地はいくつかあったと伺いましたが、どのように秩父に絞られたのですか?
妻)私は今の仕事を続けるイメージがあったので、週に2回くらい都内に出社することができそうな1~2時間ほどで通える範囲で探し始めました。
夫)まずは、奥多摩、秩父、横浜のちょっと奥の方、千葉の内陸の方とか。1時間半から2時間圏内はもう片っ端から見てました。
最初は、奥多摩が候補でした。環境などは気に入ったのですが、物件があまりなくて、秩父や飯能、千葉、横浜に広げていきました。物件の相場感や全体的な環境面を比較して絞っていったら段々と秩父になっていきました。
妻)「秩父にしよう!」と決め打ちしたというよりは、「一旦秩父で細かく探してみよう」ということになりました。


空き家の探し方

空き家の探し方

ーーー実際、どのように空き家を見つけられたのですか?
夫)移住相談センターのスタッフの方に「物件を探そうと思うんですが」と相談したら、不動産屋さんのリストをいただきました。リストの上から片っ端に電話を始めたんですが、皆さん積極的に提案してくれなかったんです。数件目ぐらいの不動産屋さんに、「皆さんあまりいい感じで提案してくれないんですよね」と言ったら、「結構軽い気持ちで移住したいと電話してくる人が多くて、ちょっと大変なんだよ。あなた秩父の地名もわかってないでしょ。」と言われて。
それは本当にその通りで、当時は横瀬(よこぜ)を「おごせ」と読むと勘違いしているくらい秩父のことをわかっていなかったので、不動産屋さんに「おごせ」とかで探してますって言ったら「何言ってんの」みたいな感じになりまして・・・
その土地をもっと知らないといけないと思い、まずは情報収集して土地勘を得てから、秩父の不動産会社のホームページや、大手不動産会社のプラットフォームをほぼ全部検索して見てから、目ぼしい物件を予約して内覧しました。
妻)今年の2~3月の間に何度も訪れて、3軒ずつ回ったり、外から見るだけだったり、来るたびに地理や街の雰囲気もちょっとずつ覚えていきました。
物件だけで判断するというよりは、そこに立ってみた時の街の空気感が好きかということも大切にしました。今住んでいるこの土地はすごく好きだなと思いました。

夫)秩父の不動産会社のホームページや大手プラットフォームの物件はほぼ全て見てますので相当な数の物件に触れましたし、そこから良いな、と思った物件を実際に15、16件は見てますね。
数に触れることで、自分たちが理想とする秩父の暮らしもより明確になったのでこのプロセスは良かったのだと思います。
妻)今の家は、初めて2人で来たときは遠くから家の周りを眺めるだけだったのですが、たまたまその日、元の持ち主の方が畑を耕してるのが見えて、良い雰囲気だな~と感じました。
実際に家の内見をしたときも、長期間住まれていないのに綺麗に手入れされているのがわかって、ここしかない!という感じでした。私たちの考えていた予算とも合いましたし、農地も付いていて大切にされてきた木や果物、植物もたくさんあって、まさに理想的な場所でした。

DIYについて

DIYについて

ーーー最初から自分で直そうと思っていたのですか?
夫)最初から自分たちでやろうと思ってましたね。
引っ越してくる前から図書館で耐震構造とか断熱とか、壁内湿度でカビない壁作りとかを本でかなり勉強しました。
農地もあったので土作りとか、土のpHの調べ方とかも勉強しました。
会社の先輩で、古い家を買って自分で直している人がいたので、そこで床の張り方とか、壁やクロスの貼り方とか一緒にやらせてもらってDIYの基礎を教わったりもしていました。
妻)できない所がどうしても出てくると思うので、その時はちょっとプロの手に頼るけど、一旦自分でやってみたらいいんじゃないかなと。私もデザインを考えたり、インテリアを選ぶのが好きなので、それぞれ得意分野を分担しています。

ーーー築年数の経っている空き家について、気を付けることはありますか?
夫)先に気をつけなきゃはめちゃくちゃたくさんあります。(笑)
設備はだいたい老朽化しているので、気づかないうちに壊れて取り返しがつかないことが起きがちです。
私の場合、移住して2ヶ月目に水道局から電話が来て「300t水が漏れてます。水道代6万円です」って言われたんですよね。汗だくになりながら水道管の周りの穴掘りをしたら、3か所目でやっと元栓の横から漏水していることがわかって修理したんです・・・
あとは浄化槽を動かす機械が静音すぎて、止まってるのでは?とちょっと心配になってたんですが、日に日に臭いが強くなって。さすがにもう限界で電話して来てもらったら、やっぱり止まってて、浄化槽のポンプが壊れてたのでそれを取り替えたり。何かしらの設備が老朽化して壊れるという「古民家あるある」は絶対来ますね。
古民家をセルフリフォームするYouTubeを見ると、漆喰を塗ってる美しいシーンとか、出来上がった綺麗な壁とかの最終形が印象的ですが、それはとても美しい一面を切り抜いただけで、実際はそんなことなくって、古い設備は老朽化してほぼ壊れる、泥臭いトラブル対応に日々追われるものだ思って挑んだ方がいいと思います。


ーーーDIYをご自身でしてみて良かった点は?
夫)東京で新築の戸建てを買うと何千万もかかるけど、セルフリフォームであれば材料や道具は安くて良いものを探したり、何でも自分でやれば工賃もかからないし、工夫次第ではコスパはいいですよね。
妻)この暮らし自体がちゃんと生きるために時間を使ってるみたいな実感があっていいなと思っています。
夫)衣食住の中で、みんな服とか食については詳しいけど、家を作っている人はあんまりいない。服も食べ物も家も、誰かが作ってくれて出来上がったものを使うのが普通だと思います。
どうしたら壁にカビが生えるとか、何でシックハウスになるかとか知らないで建てたりすると思うんですけど、勉強すると「住」のこともわかってくる。自分で直して進めると、生きるために必要なことを自分たちで理解して、自分たちで作って、何か気持ちいいね。っていうプロセスが魅力なのかもしれないですね。
妻)心地よさを自分たちで作るっていうのは、充実感といいますか、豊かさがありますね。
夫)極端な話をすると、今までの暮らしって、誰かが作ってくれた美味しい食べ物を買う、服を買う、家を買う。そのために自分は働いてお金を稼ぐ、ということだったなと。それ自体否定するつもりはなくて素晴らしいことだけど、誰かに作ってもらってばかりだったよね。もう少し自力でできることがあってもいいよね。と思う気持ちがありますね。

移住してからの暮らし

移住してからの暮らし

ーーー移住されて半年くらいですが、住み心地はいかがですか?
夫)ここの生活はめちゃくちゃいいですね。
この辺りは静かだし、ご近所の方もみんないい人で、昨日はお隣さんが出来立て熱々のゆずみそポテトを手作りして持ってきてくれました。あと結構肌が弱くって、もう年がら年中カサカサしてたんですけど、移住してきてからつるつるになっちゃって自分の皮膚ってこれだったんだみたいな、全然違いましたね。多分水と空気と土が良かったのかなと思います。自分のいるべき場所はここだった!というくらいの気持ちです。
妻)私も彼を見ていて、東京の家で一緒にいたときより自由な感じがするし、何か変化を感じますね。のびのびしている、生き生きしている感じですね。

ーーー奥様は、秩父での生活はどう感じていますか
妻)光や、植物で季節を感じられることに感動しています。夏の時期は、光が奥の部屋入らなかったけど冬だと意外と入るんだなとか。
そういう事を感じられる暮らしは、いいなと思っています。
夫)そんなこと感じてたのは知らなかった。
妻)キンモクセイでシロップを作ったり。初めて栗を渋皮煮にしてみたりとか。そういう事をしてみたかったんです。

ーーー奥様は今も都内でお仕事されていますよね?
妻)リモートワークと出社で都内と行ったり来たりしています。
しばらくは2拠点ですが、仕事はリモートでもできますし、こっちで過ごしている時間も長いので早いうちに秩父に移ろうかとは考えています。

ーーー売り主のオーナーさんと今も交流があると伺いましたが
僕が畑や環境のことがわからなくて困るだろうと思って、ご厚意を持って何でも教えて助けてくれるんです。それがいつも困る直前の良いタイミングで。師匠もそばにいてくれる物件でしたね!(笑)
例えば畑の畝の作り方はこうやるんだよとか、草刈りはこのタイミングでこうやるんだよとか。穴を掘るならシャベルよりツルハシだよ。とか、自分の畑で作ったものを持ってきてくれたりとか、お母さんは手作りのお稲荷さんを持ってきてくれたりとか。我々もそのオーナー2人が今まで築いてきた家とか畑とか色々な知恵をちゃんと引き継ぎたいと思ってるとは伝えています。
畑のやり方も、全然わからなかったので、一人では無理だったでしょうけど、本当に師匠のおかげで順調に育っています。

これから目指す理想の暮らし

これから目指す理想の暮らし

ーーーご主人はどんな暮らしが理想ですか?
夫)一番は、自給自足できることが理想ですね。
米を作って日本酒を作ったり、ニワトリを飼って、大豆を作って、スーパーへ行かずに済むようにしたいです。
妻)栗やキウイといった果樹を敷地内にたくさん残してくださったので、キッチンが完成したらみんなでジャムを作ったりしてみたいですね。
妻)キッチンと和室を繋げて、囲炉裏とかを手前の方に置いてオーナーさんご夫婦がふらっと来てくれたときに一緒に囲炉裏を囲んでお茶ができるような感じにしたいですね。

ーーーサウナ小屋を建てる計画はどうですか?
元々サウナ小屋を作りたいから始まっているので、3人くらいは入れる小屋を作って井戸水を浴びたいです!

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